電子申請(e-Gov)を利用するメリットは?
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24時間365日、いつでも、どこにいても申請・届出が可能(利便性の向上)
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役所への移動時間や窓口での待ち時間が大幅に削減(業務の効率化)
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オンライン手続のため、県外など遠隔地への申請・届出も可能(エリア・レス)
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PC上にデータ保存するため、紙媒体のような保管場所の確保やファイル購入が不要。
また、紛失リスクも軽減(コスト削減)
ご存知のように、2019年4月より「働き方改革」が施行されました。これにより、各企業は業績を向上させながらも、より一層、業務の効率化を進め、残業時間を削減していくことが求められていきます。
そのため、電子申請(e-Gov)の利用による社会保険・労働保険の申請手続は、まさに「業務の効率化」になくてはならないツールとなってくるのは明白です。
しかし、今の所、労働・社会保険分野での利用率はわずか11.8%にとどまっており、登記や国税申告など他の電子申請と比較しても、まだまだ浸透していないようです。
参考:行政手続等の棚卸結果等の概要(平成30年3月 内閣官房IT総合戦略室 総務省)より加工
申請・届出すべき案件が発生した場合(YMT事務所との業務フロー)
1(お客様 → YMT )案件が発生次第、申請に必要な情報をYMTへ電子メール✉で送信。
2(YMT → 行政機関)YMTにて申請資料を作成し、e-Gov電子申請。
3(行政機関 → YMT )行政機関での審査終了後、YMTへ連絡メール✉が到着。
4(YMT → お客様 )通知書や必要な返還資料をお客様までメール✉送信して、全てが終了。
中途採用者が入社された場合(例)
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社会保険・労働保険に加入義務のある会社とは?
保 険 | 管 轄 | 狭 義 | 広 義 | |
---|---|---|---|---|
① | 健康保険 | 年金事務所 | 社会保険 | 社会保険 |
② | 介護保険(40歳以上) | |||
③ | 厚生年金保険 | |||
④ | 雇用保険 | 公共職業安定所(ハローワーク) | 労働保険 | |
⑤ | 労災保険(労働者災害補償保険) | 労働基準監督署 |
「健康保険(介護保険)」「厚生年金保険」に加入義務のある会社・従業員は?
- 加入義務のある会社 -
【強制適用】
① 全ての法人(株式会社、有限会社、法人化した士業、合同会社、NPO法人など)
② 常時使用する従業員が5名以上の個人事業主(ただし、個人事業主ご自身は加入できません。被保険者=常時使用される者のため。)
※ただし、上記②の個人事業(従業員5名以上)に該当しても、次の業種は加入義務はありません。
- 第一次産業(農林水産業)
- サービス業(飲食業、接客業、理容業、銭湯、映画、娯楽など)
- 旅館・その他の宿泊所
- ビル清掃業、クリーニング業
- 自由業(士業など)
- 宗教(神社、寺など)
【任意適用】
常時使用する従業員が5名未満の個人事業所であっても、従業員の半数が同意し、事業主が申請すれば加入することができます。
- 加入義務のある従業員 -
次の①~③のいずれかに該当する者
① 正社員(試用期間の者を含む)
② 1週間の所定労働時間 及び 1ヶ月の所定労働日数が正社員の4分の3以上の者
③ 次の5つの要件を全て満たす者
- 週の所定労働時間が20時間以上あること
- 雇用期間が1年以上見込まれること
- 賃金の月額88,000円以上であること
- 常時501名以上の企業(特定適用事業所)に勤めていること
- 学生でないこと
- 加入義務のない or 加入できない従業員 -
①(厚生年金保険)原則 70歳以上の者
②(健康保険)75歳以上の者(後期高齢者医療制度へ移行するため)
③ 個人事業主(常時使用される者=被保険者のため、法人の代表者は加入義務ですが、個人事業主は適用事業所でも加入できません。)
④ それ以外では、次の通りです。
被保険者とされない人 | 被保険者となる場合 / その時期 |
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日雇い労働者 | (1ヶ月超の継続雇用) その日から |
2ヶ月以内の期間労働者 | (所定の期間を超えて継続雇用) その日から |
所在地が一定しない事業所 に雇用される労働者 |
いかなる場合も被保険者とならない |
4ヶ月以内の季節労働者 | (継続4ヶ月超の予定で雇用) 当初から |
6ヶ月以内の臨時的事業 に雇用される労働者 |
(継続6ヶ月超の予定で雇用) 当初から |
「雇用保険」に加入義務のある会社・従業員は?
- 加入義務のある会社 -
従業員を1名でも雇用していれば、業種・規模等を問わず、雇用保険の加入手続きが必要です。
- 加入義務のある従業員 -
次の①②いずれにも該当する場合
① 31日以上引き続き雇用される見込みがある者
- 期間の定めがなく雇用される場合
- 雇用期間が31日以上である場合
- 雇用契約に更新規定があり、31日未満での雇用止めの明示がない場合
- 雇用契約に更新規定はないが、同様の雇用契約により雇用された他の従業員が31日以上雇用された実績がある場合
② 1週間の所定労働時間が20時間以上であること
「労災保険(労働者災害補償保険)」に加入義務のある会社・従業員は?
- 加入義務のある会社 -
常勤・パート・アルバイト・日雇い・派遣労働者など、名称や雇用形態に関わらず、従業員を1名でも雇用している会社は、労災保険(労働者災害補償保険)の加入手続きが必要です。
- 加入義務のある従業員 -
会社は、必然的に、保険料を全額負担の上で加入することになるため、従業員には保険料の負担はありません。
- 加入義務できない従業員 -
法人の取締役、個人事業主と事業専従者(家族従業員)、請負契約で働く者。ただし、法人の取締役については、兼務役員と認められれば労災保険に加入することができます。
(特別加入の制度)
中小企業の場合、一人親方や取締役が1名で業務を行っているケースもあり、業務中に負傷することも考えられます。もし、そのような場合に備えるのであれば、申請して「特別加入」することができます。
パートさんが気にする年収 90万(100万)?103万?130万?150万?
パートさんを雇用する顧問先の企業から、しばしば「年収の壁」のご質問をされます。90万(100万)?103万?130万?150万?
専門家でも複雑と感じている点ですが、令和2年から変更された箇所もあるのでご説明を致します。
なお、130万の壁を計算する場合は要注意です。社会保険・雇用保険の賃金額を計算する場合には「通勤手当」も含みます。
一方、90万(100万)、103万、150万の壁を計算する場合には「通勤手当の非課税限度額」までは賃金額の計算に含みません。
【90万円以下】妻(パート)の「住民税」が非課税となるライン ※ 横浜市の場合
住民税には「非課税制度」があり、限度額は35万円です(横浜市の場合)。
つまり、妻の年収が、給与所得控除額(55万円)と非課税限度額(35万円)を合計した金額(90万円)以下の場合、住民税は課税されません。
※令和2年から「給与所得控除」の金額が改正されましたので、従来の計算とは変わります(変更前65万⇒変更後55万)
(妻の年収)90万円-(給与所得控除)55万円=(給与所得)35万円
(給与所得)35万円-(住民税・非課税限度額)35万円=0円
よって、横浜市の場合、年収90万円までは住民税がかかりません。
なお、この非課税限度額は市町村によって異なります。 神奈川県の場合、28万~35万円の範囲のため、年収83万円~90万円が非課税の対象となります。
【103万円以下】妻(パート)の「所得税」が非課税、夫が「配偶者控除」を使えるライン
妻の年収が103万円以下であれば「所得税」がかかりません。
(給与所得控除)55万円 +(基礎控除額)48万円 =(非課税となる年収)103万円
更に、上記のように妻の年収103万円以下の状況に加え、夫の年収が1095万円以下(年収から給与所得控除を差し引いた給与所得900万円以下)の場合には、夫は「配偶者控除」の限度額(38万円)を受けることができます。
なお、夫の年収(給与所得)が、上記の年収(給与所得)を超える場合でも、その年収(給与所得)の金額に応じて、段階的に「配偶者控除」を受けることができます。詳細は下記の表を参照。
控除を受ける夫の合計所得額
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900万円以下 (1095万円以下) |
900万円超~950万円以下 (1095万円超~1145万円以下) |
950万円超~1000万円以下 (1145万円超~1195万円以下) |
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配偶者控除 |
配偶者の合計所得額(年収) 48万円以下(103万円以下) |
38万円 | 26万円 | 13万円 |
老人控除対象配偶者 | 48万円 | 32万円 | 16万円 |
参考:国税庁(No.1191 配偶者控除)
※ 夫が「配偶者特別控除」の限度額(38万円)を受けられる際の妻の年収の限度額は150万円です(ただし、夫の年収1095万円以下の場合)。詳細は、後述の【150万円以下】を参照。
※「老人控除対象配偶者」とは、控除対象配偶者のうち、その年12月31日現在の年齢が70歳以上の方のことです。
【130万円未満】妻(パート)が夫(正社員)の社会保険の扶養に入れるライン
妻の年収が130万円以上になると、夫の社会保険の扶養(第3号被保険者)から外れることになります。その場合、妻はご自身で国民健康保険と国民年金に加入しなければならいケースが一般的には多いかと思われます(つまり、第1号被保険者に変更)。必ずしも、勤務先の社会保険に加入できるわけではありません。
一方、次の条件に該当する場合には、妻の年収が130万円未満であっても、勤務先の社会保険に加入しなければなりません(つまり、第2号被保険者になる)。
- 週の所定労働時間が20時間以上であること。
- 雇用期間が1年以上見込まれること。
- 賃金の月額が、88,000円以上であること。
- 常時501名以上の企業(特定適用事業所)に勤務していること。
- 学生ではないこと。
なお、上記の条件以外で、妻が勤務先の社会保険に加入する(第2号被保険者となる)場合は「1週間の所定労働時間および1ヶ月間の所定労働日数が、正社員の4分の3以上」である場合です。つまり、所定労働時間=法定労働時間で試算すると「週30時間以上および月17日以上」の勤務をする場合です。
また、この130万の壁を計算する場合だけは、他の金額の壁(90万、103万、150万)とは異なり、通勤手当も賃金として(非課税限度額以内であっても)含めた金額で計算する必要があります。
【150万円以下】夫(正社員)が「配偶者特別控除」の最高額38万円を受けられるライン
妻の年収が150万円以下の場合で、かつ、夫の年収が1095万円以下(年収から給与所得控除を差し引いた給与所得900万円以下)の場合には、「配偶者特別控除」の限度額(38万円)を受けることができます(令和2年より変更)。
なお「配偶者特別控除」は、妻の年収が150万円超であっても2,016,000円未満であれば、限度額(38万円)ではないものの、36万円~1万円の範囲で段階的に受けられます(ただし、夫の年収にもよる)。詳細は下記の表を参照。
控除を受ける夫の合計所得額 (給与所得のみの場合の年収) | ||||
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900万円以下 (1095万円以下) |
900万円超~950万円以下 (1095万円超~1145万円以下) |
950万円超~1000万円以下 (1145万円超~1195万円以下) |
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妻の年収 | 103万円超~150万円以下 | 38万円 | 26万円 | 13万円 |
150万円超~155万円以下 | 36万円 | 24万円 | 12万円 | |
155万円超~160万円以下 | 31万円 | 21万円 | 11万円 | |
160万円超~1,668千円未満 | 26万円 | 18万円 | 9万円 | |
1,668千円以上~1,752千円未満 | 21万円 | 14万円 | 7万円 | |
1,752千円以上~1,832千円未満 | 16万円 | 11万円 | 6万円 | |
1,832千円以上~1,904千円未満 | 11万円 | 8万円 | 4万円 | |
1,904千円以上~1,972千円未満 | 6万円 | 4万円 | 2万円 | |
1,972千円以上~2,016千円未満 | 3万円 | 2万円 | 1万円 | |
2,016千円以上 | 0円 | 0円 | 0円 |
参考:国税庁(No.1195 配偶者特別控除)